K・Kニュース vol.12(2007年8月号)


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私の趣味

私の趣味は、いつも二流のスポーツ


熊本大学大学院医学薬学研究部 呼吸器病態学分野教授  興梠 博次

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 私は、子供の頃からスポーツが好きで走り回っていたが、何をしても一流に近い二流の才能だった。才能が十分ならば医師を選択しているはずがない。小学時代はソフトボールと剣道、中学時代は剣道、大学時代はレースヨットと外洋ヨット、医師になったらゴルフと変化していった。

 スポーツは、指導者によってチームカラーがでてくる。例えば、強いチーム、品格がそなわったチーム等、いろいろである。私は田舎で育ち、幸か不幸か、指導者のいない環境のためにリーダーとしてやってきた。したがって、チームカラーは自己流で、「仲間と協力しあいながら良い成績を残せるチーム」であった。

 小学時代はソフトボールでキャッチャーをしたが、すばらしいピッチャーがいたのでリード次第で楽しいゲームができることを知った。プロ野球や高校野球中継の解説から野球のポイントを学び、それを応用して地区対抗大会で活躍できた。
今、時にメジャーリーグを見るが、バッターの心理をさぐりながらバッテリーの次の一球を予測することが楽しい。また、イチロー、松井、井口、田口、城島、松坂、井川、岩村、大塚、大家等、多くの日本人メジャーリーガーのプレーを楽しんでいる。他方、日本の野球ファンは一球一球をしっかり見つめて観戦してほしいという希望も持っている。

 中学時代は、剣道に打ち込んだ。父が「正々堂々とした剣さばき」を求めたために、指導者がないままに自分を外から見つめた剣道をしながらチーム力の向上を目指した。その結果、宮崎県大会決勝戦まで到達した。その試合は、大将戦となり、私は一本取ったと思って場外に出た為に反則負けとなり準優勝に終わった。
剣道では選手が感じる判定はほぼ間違いないのだが、なぜ審判が一本と判定してくれなかったのか理解できず、ずっと心に残っていた。二、三年前、夜遅く帰宅して食事をとりながらテレビをつけると、NHKテレビで「にんげんドキュメント:ただ一撃にかける」が放映されていた。栄花直輝選手の「全日本剣道選手権優勝者宮崎選手との対戦での微妙な判定による敗北」、「その後の奪還」、「世界選手権での大将としての勝敗を超えた剣道」を通して、剣道というスポーツの考え方、「打って反省、打たれて感謝」という名言の奥深さを知った。その時に自分の決勝戦のわだかまりが解決できた感じがして、つらい思い出を、すばらしい結果として評価できるようになった。世界のトップと私のレベルとは天と地の差があっても心は近いのかもしれない。

 大学時代は、熊本大学ヨット部でレースヨットに打ち込み、学業の方はおろそかであった。そこでも指導者が不在で自分たちだけで試行錯誤の中で頑張ったが、オリンピック候補選手(福岡大学)と時には同等にレースができる程度にはなっていた。また、医学部5年生からは、外洋ヨットに同乗させてもらう機会があり、クルージングで屋久島、種子島、与論島、沖縄など訪れ、また、佐世保にて米軍チームと外洋レースをして良い成績を残した。しかし、卒業して医師になると、全く時間がなくなり、あんなに好きだったヨットに一度も乗っていない。

 医師になると、先輩から誘われてゴルフを始めた。これもはまりこんでしまいシングルプレーヤー目指してハンディー10になった。しかし、シングルプレーヤーを維持するには、仕事が忙しく、自分の才能に限界を感じたので、その後は熱心でなくなった。
このゴルフも誰にも習うことはなかった。ただし、最初に誘ってくれた先輩が、練習ボールが山積みのトラックを指さしながら言ってくれた「このトラック一台分のボールを打ちなさい」の指導は最もすばらしい指導であった。また、マスターズ、全米オープン、全米プロ、全英オープン、の4大トーナメントを録画して、トッププレーヤーのスイングや攻略法を学んだ。また、多くの本も読んだ。そのデータを基礎に練習をして身につけたことは多くのスポーツの解釈に役立っている。すべてのスポーツの基本は、「回転の軸が背骨であり、足腰の筋を十分に活用すること」であった。

 私の自慢は、ゴルフ4大トーナメントでも活躍したラリー・ネルソン、セベ・バレステロスと挨拶を交わし、サインをもらったことである(写真)。しかし、今回、ゴルフから遠ざかっているため、自慢のサインを探し出すのに3時間も費やした。

 スポーツは、体と心の疲れを取り去るすばらしい処方であり、自ら参加して汗をながせば楽しいもので「下手の横好き」とはよく言ったものである。スポーツを介した友達も永遠の付き合いとなる。
今日、スポーツをすることもなく仕事に追われているし、メタボリックシンドロームも気になり始めている。少しの時間をつくってでも二流・三流のスポーツを楽しまなくてはならないと思う昨今である。

セベ・バレステロス(マスターズ2勝、全英オープン3勝)と、ラリー・ネルソンのサイン(全米オープン1勝、全米プロ2勝)

私はサインをもらったのにもかかわらず、ラリー・ネルソンから2回も「thank you」と言ってもらった。
それは、すばらしいプレーに対する賞賛を言った時とマスターズでもチャンピオンになって下さい、と言った時であった。

 


(社団法人)日本アレルギー学会からのお知らせ

〜「アレルギー専門医」の広告が本年3月7日からできるようになりました。〜

社団法人 日本アレルギー学会認定
「アレルギー専門医」広告認可のお知らせ

社団法人日本アレルギー学会は2007年3月7日付(医政総発第0307001号)で厚生労働省から「専門医資格認定団体」として認められました。学会認定の専門医資格取得者は、今後「街頭等の看板類」「新聞・雑誌等の広告」「電話帳の広告」などに専門医であることの記載が可能になり、広く社会一般に「広告」ができるようになりました。

【専門医名称】


医師 ○○○○
社団法人日本アレルギー学会認定
「アレルギー専門医」


【参 考】

1)厚生労働省
 「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関して広告し得る事項等について」
  
http://www.med.or.jp/doctor/koukoku2002/mhlw.pdf

2)日本医師会:「専門医資格」広告について
  
http://www.med.or.jp/doctor/koukoku2002/koukoku.html



〜「標榜診療科名見直し」とアレルギー科について〜

 厚生労働省は、現在38科ある診療科を基本的な26科にすることを医道審議会の部会で検討するとし、さる5月21日に第一回の部会を開いています。
 原案ではアレルギー科は削除対象となっていたため、日本アレルギー協会と日本アレルギー学会は6月5日付で担当局の医政局長をはじめとする関係団体に慎重審議をするよう共同で要望書を出しました。
 他の学会も22学会が反対声明、要望書等を出しています。その結果、6月11日の第2回部会では、最終案は提出されず、各学会や患者会からの意見を聞いて結論を出すことになりました。
 アレルギー科については標榜診療科にノミネートされる方向で検討されています。

提出した要望書のPDFファイルはこちら


(財)日本アレルギー協会の入会案内

 (財)日本アレルギー協会は厚生省所管の財団法人として昭和42年に発足。目的は国民の30%を越える人達が何らかのアレルギー症状を持つという国民病とも云われる状況に対し、総合的に調査、研究、啓発、広報などによって国民の保健と福祉に寄与することです。学術団体日本アレルギー学会と協力し、医療関係者、患者、行政、社会の多くの人達と手を組んでアレルギー克服に向けて努力しております。数年前より個人会員も募るようになりました。当協会の趣旨に賛同され、入会いただけますようお願い致します。

 

正会員
一般会員
対  象

医師、看護師その他の専門職、医療従事者

患者および家族などの一般の方々

会  費
(4月〜1年間)
一口2,500円
(一口以上)
一口1,500円
(一口以上)
特  典

機関誌
「info Allergy」送付

機関誌
「アレルギートゥデイ」送付


■申し込みと会費納入■: 振込用紙に必要事項を記載し、会費を納入下さい。
 

■ お問合せ先 (振込用紙請求先) ■
〒102-0074 東京都千代田区九段南4-5-11 富士ビル4階
財団法人 日本アレルギー協会
TEL 03-3222-3437  FAX 03-3222-3438


支 部 だ よ り

 福岡県支部の活動状況をお知らせします。スギ花粉の飛散時期にあわせて2月3日(土)にはスギ花粉症の講演会を行いました。福岡市の薬剤師会の講堂で日本アレルギー学会元理事長の石川 哮先生他8人の講師のお話を戴き63名の参加がありました。
また2月1日から4月15日までは花粉情報を提供しました。これは毎年行われていますが、アレルギー協会九州支部、国立病院機構福岡病院、九州各県医師会、気象協会の共同事業です。花粉症あるいは花粉の感作は低年齢化しているともいわれ今後も情報の提供は必要と考えられています。

 2月24日(土)には例年のことではありますが、医師向けに福岡県アレルギー講習会が行われ75名が参加、翌2月25日(日)には第13回アレルギー週間記念講演会が一般の方向けに行われ100名の参加がありました。
参加者は九州のみならず遠方からの参加もみられています。これは来年も行われる予定です。

 実際の患者向けの行事としては、アレルギー協会主催、国立病院機構福岡病院運営の行事がいくつかあります。
喘息児の水泳教室は31回となりましたが毎年4月から開催され幼児向けに週2回、学童向けに週1回の教室が行われています。この教室では毎年2回は眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科の専門の医師のご協力を得て診察・指導を行っています。また、毎回、水泳前後で医師・看護師の問診や診察を行っていますので密度の濃い教室となっています。
また、同じくリウマチ患者の水泳教室(アクアビクスに近いものです)も4月から引き続き行われています。これも、リウマチ患者さんのQOLを改善する上で有用な教室であると考えられます(どちらも、国立病院機構福岡病院にて)。
また、協会主催の喘息児サマーキャンプも例年通り6月1日から受付開始、今年度は7月31日から8月3日まで3泊4日で行われました。サマーキャンプも今年で37回を数え、多くの皆さんのボランティア参加を得て実施されています。最近は食物アレルギーの患者さんも多く、毎年、実施施設の選定に苦慮しています。しかし、少しでも多くの患者さんに、色々な体験をしてもらいたいとスタッフは準備をし、毎回約1年をかけて準備しています。また、
秋の行事としては9月29日に第3回アレルギー・気管支喘息講習会が予定されています。こういった講習会に多くの患者さんが参加され、適切な治療・管理が行われていくことが必要と考えられます。

 今回は福岡県の取り組みをご紹介しました。今後、各県支部の取り組みを順次紹介してゆく形になればと思っています。

(文責:小田嶋 博)

 

 

 

Kyushu Kyohkai News
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「K・K News」Vol.11
2007年8月15日発行

発行:(財)日本アレルギー協会九州支部
〒811-1394 福岡市南区屋形原4-39-1
独立行政法人 国立病院機構 福岡病院
研修・情報センター内
TEL092-565-5534(内272)
FAX092-566-0194
発 行 人/西間三馨
編集委員/石川 哮・庄司俊輔・
小田嶋 博・岸川禮子
メールアドレス
mail@allergy-fk.com


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