K・Kニュース vol.11(2007年1月号)


〜Page4〜

第56回日本アレルギー学会秋季学術大会

 平成18年11月2日〜4日の3日間、第56回日本アレルギー学会秋季学術大会が、群馬大学大学院医学系研究科小児生体防御学分野教授森川昭廣先生の主宰にて、東京国際フォーラムにて開催された。

 「アレルギー学のゴールを求めて―病態解明・治療・予防―」を学会のテーマとして、特別講演2,招請講演5、招待講演7、教育講演10、シンポジウム12、イブニングシンポジウム10、教育セミナー15、一般演題433題(全て口演)が全会場にわたり活発に繰り広げられた。また、最終日には市民公開講座「子どものアレルギー、おとなのアレルギー」が開催された。今回もPeter J. Barnes教授、Tari Haahtela教授をはじめとして多数の著名な先生方が海外から参加されレベルの高い国際的な学会となった。
今回の学会での特別なプログラムとして、Michel A. Kaliner教授と中川武正教授の司会で、WAO-JSA International Sessionと題した、世界アレルギー機構(World Allergy Organization)と日本アレルギー学会の合同セッション、および、Barnes教授と大田健教授司会のYoung Seminarが行われた。いずれも著名な海外の教授を交えてのレベルの高い内容で、会長の森川教授がポイントにおかれた「国際化」を象徴するものになった。森川先生の会長講演はご自分の研究の変遷を通じて最近のアレルギーの歴史を詳しく述べていただく素晴らしいものであった。

 なお、日本アレルギー学会は社団法人化して2年目になるが、代議員による総会では、今後公益法人化をする予定であるなど新しい方向性も示された。

国立病院機構福岡病院 副院長 庄司俊輔 記


第11回ラテックスアレルギー研究会
(Latex allergy OAS フォーラム2006)

 平成18年7月23日(日)、九州大学医学部百年講堂で開催させて頂いた。研究会に先立って、本研究会にご尽力された元名古屋大学医学部皮膚科教授の早川律子先生と国立医薬品食品衛生研究所薬品部の矢上健先生の追悼講演が横浜市立大学皮膚科教授の池澤教授により行われた。

 特別講演は、独H. Allmers先生でラテックスアレルギーの公衆衛生学的予防対策の効果が示された。シンポジウムでは、ラテックスアレルギー安全対策ガイドライン(当日発刊発売)について歯科、小児科、皮膚科の執筆代表先生から現状と作成の経緯が報告された。
一般演題では各病院におけるラテックスアレルギーの現状や対策、OASセッションでは花粉、フルーツなどの交差抗原性に関する症例の検討が報告された。
会頭講演"乳幼児の食物アナフィラキシーとフルーツ、花粉、ラテックス感作の問題点"では、最近の小児の果実アレルギー、花粉感作の増加、自験例における多種食物アレルギー・アナフィラキシー児の花粉症、ラテックス感作状況、ラテックスIgE抗体陽性児におけるリコンビナントHev b各種IgE抗体分布の臨床所見との関連について述べた。

国立病院機構福岡病院 小児科部長 第11回会頭 柴田瑠美子 記


第37回日本職業・環境アレルギー学会

 第37回日本職業・環境アレルギー学会を2006年7月7日(金)〜8日(土)の2日間、長崎県佐世保市のアルカスSASEBOにて開催させて頂きました。

 近年、職業・環境アレルギーの原因抗原や憎悪因子の診断や予防対策、治療法の適正化が重要視されています。そこで、本学術集会では、「職業・環境アレルギーの診断と治療」をメインテーマに、企画させて頂きました。

 特別講演は、「気管支喘息における抗炎症療法の展望」を昭和大学の足立満先生に、「気管支喘息の病態と環境因子」を長崎大学の松瀬厚人にお願い致しました。
教育講演は、「化学物質による職業アレルギーの国際基準について」を福井大学の日下幸則先生に、「職業アレルギー研究の社会的意義―ハウス栽培によるアレルギー発症を中心にー」を熊本大学の石川哮先生にお願い致しました。
またシンポジウムは、「職業・環境アレルギーの診断学」を熊本大学の上田厚先生と独協医科大学の福田健先生、「職業・環境アレルギーの予防と治療」を大阪大学の森本兼曩先生と群馬大学の土橋邦生にそれぞれ座長をお願い致しました。
会長講演、「職業性喘息の多様性」の座長を群馬大学の中澤次夫先生にお引き受け頂きました。一般演題も各分野から本学会にふさわしいご発表頂きました。

 日本本土最西端での学会でしたが、参加の皆様の熱心なご発表と討論、さらに関係各位のご支援で無事、学会を終了出来ました事を感謝申し上げます。

佐世保市立総合病院 副院長(同学会会長) 浅井 貞宏 記


第43回日本小児アレルギー学会

 第43回日本小児アレルギー学会総会は、本年11月25・26日の両日、千葉幕張メッセで行なわれた。会長は、河野陽一千葉大学大学院医学研究院小児病態学教授。
幕張はやや寒くなって来たものの、学会は大変充実した暖かい会と感ぜられました。

学会テーマは「小児アレルギーにおける遺伝因子と環境因子のクロストーク」でした。会長の言葉を借りれば、近年、分子生物学の著しい進歩に従い、アレルギー疾患に関わる遺伝因子の解明が進み、タンパク分子レベルから遺伝子レベルへ、そして再び遺伝子の発現メカニズムを基盤にタンパク分子の機能が詳細に解析されるようになってきたこと。そして、このような展開を背景に個体の多様性を背景にしたテーラーメイド医療も現実になりつつある。しかし、一方で増加を続けるアレルギー疾患の現状は、環境因子が重要であり、遺伝因子と環境因子のクロストークは適切なテーマであると考えられました。
4つの特別講演、2つの招待講演、2つの教育講演、11の教育セミナー、6つのシンポジウム、4つのワークショップが企画され、充実した楽しい学会でありました。

国立病院機構福岡病院 統括診療部長 小田嶋 博 記


学 会 予 告

 第25回日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会

 

会 長:

増山敬祐 (山梨大学大学院医学工学研究部耳鼻咽喉科・頭頚部外科学教室 教授)

会 期:

2007年3月29日(木)〜31日(土)

  

会 場:

ベルクラシック甲府

 第106回日本皮膚科学会総会

 

会 長:

玉置邦彦 (東京大学大学院医学系研究科皮膚科学教室 教授)

会 期:

2007年4月20日(金)〜22日(日)

  

会 場:

パシフィコ横浜

 第51回日本リウマチ学会総会・学術集会 ・ 第16回国際リウマチシンポジウム

 

会 長:

龍 順之助 (日本大学医学部整形外科 主任教授)

会 期:

2007年4月26日(木)〜29日(日)

  

会 場:

パシフィコ横浜

 第47回日本呼吸器学会学術講演会 〜未来へ繋がる呼吸器診療:予防医学と個別化医療〜

 

会 長:

貴和敏博 (東北大学加齢医学研究所 教授)

会 期:

2007年5月10日(木)〜12日(土)

  

会 場:

東京国際フォーラム

 第24回日本小児難治喘息・アレルギー疾患学会

 

会 長:

山口公一 (同愛記念病院 小児科医長)

会 期:

2007年5月26日(土)〜27日(日)

  

会 場:

シェーンバッハ・サボー(砂防会館)

 第19回日本アレルギー学会春季臨床大会 〜アレルギー診療の質の向上を目指して〜

 

会 長:

西岡 清 (横浜市立みなと赤十字病院 院長)

会 期:

2007年6月10日(日)〜12日(火)

  

会 場:

パシフィコ横浜


研 修 会 予 告

 第13回アレルギー週間記念講演会

 

主 催:

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 先進治療科専攻 感覚器病学

会 期:

2007年2月4日(日)13時より

  

会 場:

楽天KCプラザ1階ビアホール


主 催:

(財)日本アレルギー協会九州支部

会 期:

2007年2月25日(日)13時より

会 場:

天神ビル11階(福岡市)

 第6回アレルギー・臨床免疫医を目指す人達の為の研修会

 

主 催:

(財)日本アレルギー協会九州支部

会 期:

2007年3月17日(土)〜18日(日)

  

会 場:

八重洲博多ビル11階(福岡市)


九 州 支 部 研 究 助 成

 研究課題
研究者(所属)
実施期間

1)

小児喘息に対するEarly Interventionの
有用性の気道炎症による評価

下田 照文
(国立病院機構福岡病院)
16年4月〜
19年3月

2)

咳喘息(cough variant asthma)の病態解明と抗炎症療法(継続)

下田 照文
(国立病院機構福岡病院)
16年7月〜
18年12月

3)

6ヶ月〜4歳の日本小児気管支喘息患者を対象としたブデソニド吸入用懸濁液のメッシュ式ネプライザーによる吸入の有効性及び安全性を検討する12週間投与のオープン試験

小田嶋 博
(国立病院機構福岡病院)
18年11月〜
19年10月


前ページへ

 

 

次ページへ