K・Kニュース vol.14(2009年2月号)


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特 集

アレルギー談話室 1500回記念講演会

 日本アレルギー協会九州支部提供で1979年10月7日から週1回KBC(九州朝日放送)ラジオで続けていた「アレルギー談話室」が、2008年7月6日をもって1500回を迎えました。その当日、記念イベントと記念レセプションがニューオータニ博多で盛大に開催されました。

 第1回のテーマは「アレルギーとは」で、当時の九州支部長(国立療養所南福岡病院長)・故 長野準先生が話されています。第1500回のテーマは「アレルギー談話室1500回を迎えて」で、現 九州支部長(国立病院機構福岡病院長)・西間三馨が話をしています。

 ≪主催者よりのご挨拶≫
 アレルギー談話室は昭和54年に第1回がスタートして約30年、ついに1500回を迎えることになりました。私は当時、国立療養所南福岡病院(現・国立病院機構福岡病院)の小児科医長でしたが、当初よりそのプログラム作成に加わっておりましたので実に感無量です。
スタートの頃の日本のアレルギー疾患の状況と今では正に隔世の観があります。病態解明の進展、有症率の上昇、各種治療薬の開発、治療管理ガイドラインの作成など、いずれの面においても大きな変化がありました。なによりも、アレルギー疾患の治療が患者と医療者のパートナーシップの基に行われるようになったことです。
 このアレルギー談話室がその面において大きな役割を今後も果たしていくことを心より願っています。

日本アレルギー協会九州支部長(日本アレルギー学会理事長) 西間 三馨

 「アレルギー談話室」は1979年10月にスタート、今日7月6日の放送で1500回を迎えました。今期KBCラジオは55周年ですが、その歴史の中でスポンサードの番組として、最長寿の番組です。
 これもひとえに、日本アレルギー協会九州支部・故 長野準先生、西間三馨先生ほかの皆様、番組の主旨をご理解いただきご提供いただきました万有製薬様他、関係者のみなさまのおかげと感謝いたします。

 29年前、放送の1回目のタイトルは「アレルギーとは」です。アレルギーという言葉が現在ほど、病気の症状の1つとして一般的ではなかった時代のスタートです。その後、アトピーや花粉症、食物アレルギーと聴取者の皆様にアレルギーに対する認知が高まってきました。それもこの番組からと言って過言でない画期的な放送だったわけです。
 まさに『医学の進歩と共に歩んで来た』番組です。今後、2000回、3000回と歴史を刻んで頂きたいと思っています。

九州朝日放送 ラジオ局長 小嶋 良太

記念講演会

日本アレルギー学会理事長
西間 三馨先生による記念講演を実施

講演タイトル:『アレルギーは今』

会場風景

 

スペシャルトークショー

スペシャルゲストに
マラソンランナーの谷川真理さんを迎え、
アレルギーや健康をテーマに
楽しいトークショーを展開致しました。

パネルディスカッション

アレルギーをテーマに
様々な内容でパネルディスカッションを実施
パネラー
西間三馨先生(日本アレルギー学会 理事長
久保千春先生(九州大学病院 病院長)
当日ゲスト
谷川真理さん(アレルギー疾患の克服経験者として)
徳永玲子さん
進行役
倉富顕子さん

サンリオキャラクター
"シナモン"登場!

イベント会場にサンリオキャラクター"シナモン"が登場。
様々な場面でご来場のお子様たちと触れ合いました。

放送1500回記念レセプション

番組放送1500回を記念して、招待者、関係者・出席のもと
立食形式の記念パーティを実施。
ご挨拶
・(財)日本アレルギー協会 理事長 宮本昭正 様
・九州朝日放送株式会社 専務取締役 脇水 謙一様
乾杯
萬有製薬株式会社 営業本部長 ダン・フェルドマン様
*ゲスト 谷川真理さん、徳永玲子さんの出席をご紹介
*歴代パーソナリティの御紹介
締めのご挨拶 
日本アレルギー学会 理事長 西間三馨 様

放送1500回記念レセプション

歴代パーソナリティ・ディレクター紹介

放送1500回記念レセプション

ゲスト・谷川真理さんと

放送1500回記念レセプション

ゲスト・徳永玲子さんと


ネオーラル(R)(一般名:シクロスポリン)

製造販売元:ノバルティスファーマ株式会社

 シクロスポリン(CyA)はカルシニューリンの活性化阻害を作用機序とする免疫抑制薬で、臓器移植後の拒絶反応抑制や種々の自己免疫疾患の治療に用いられてる。CyA製剤は1986年に腎臓移植における拒絶反応の抑制および骨髄移植に対するGVHD予防の適応症をかわきりに、適応症を追加してきた。皮膚領域の適応症としては1992年に乾癬、今年10月に「アトピー性皮膚炎(AD)、既存治療で十分な効果が得られない患者」に対して適応が承認された。
現在使われていますCyA製剤、ネオーラル(NEO)は内服した時にCyA吸収のバラツキを小さくしたマイクロエマルジョン前濃縮製剤である。

 国内においては、ADの至適用量試験;1、3、5mg/kg/日(朝・夕2回に分けて内服)の3群比較を行い、3mg/kg/日が効果・安全性において有用と考えられ、この3mg/kg/日を開始量として、第・相試験;8週間投与によるプラセボ対照試験と短期間投与を繰返す間歇投与による長期試験が行われた。

 プラセボ対照試験では、皮疹の重症度スコアおよび罹病範囲スコアの最終変化率は、プラセボ群(PL群)との間で有意な差が認められた(p<0.001)。また、NEO群では投与2週後には重症度スコアおよび罹病範囲スコアの変化率が改善し、この2週後の変化率はPL群の8週後の変化率と同じ程度でした(図1)
さらに、NEO群では、紅斑、丘疹主体の急性病変から浸潤、痒疹、苔癬化主体の慢性病変まで、経過に伴って重症度スコアは低下し、いずれの皮膚所見でもPL群に比べて良好な改善が認められた。

 間歇投与試験は、治療期を最大12週間として、その後は2週間以上を空ける休薬期を設けて、治療を繰返した。治療効果は、いずれの治療期においても、皮疹の重症度スコアは治療開始前と比べて改善を示し、効果減弱は認められなかった(図2)。有害事象については、ほぼ全例に有害事象が認められた。

 また、プラセボ対照試験において、有害事象はPL群73.3%(NEO群75%)、副作用は37.8%(NEO群52.3%)と高頻度であったが、その副作用の内容は、NEOが有する他の適応症と同様に臨床検査値異常と感染症が半数以上であった。
以上のことからNEO投与にあたっては、これらの事象に留意することで、既存治療で十分な効果が得られず、入院加療が必要とされるような重症AD治療には有益性がある治療法と考えられた。

 以上の国内臨床試験成績等を踏まえ、NEOが適正に使用されるために、国内臨床試験に参加した医師および日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドラインを作成した医師等を中心に「アトピー性皮膚炎治療におけるネオーラルの使用指針」が作成されている。

 臨床データは、17回ヨーロッパ皮膚・性病学会(2008年9月17〜20日)で発表されたデータによる。


アレルギー性鼻炎治療剤(鼻噴霧用ステロイド)
ナゾネックス(R)点鼻液50μg56噴霧用

製造販売元:シェリング・プラウ株式会社

効能・効果:アレルギー性鼻炎
用法・用量:通常,成人には,各鼻腔に2噴霧ずつ1日1回投与する(モメタゾンフランカルボン酸エステルとして1日200μg)。

アレルギー性鼻炎治療薬としての位置づけ:
ナゾネックス(R)点鼻液は,国内初の1日1回の鼻噴霧用ステロイド薬である。グルココルチコイド受容体に対する親和性が高く,強力な抗アレルギー作用と抗炎症作用を持つ,アレルギー性鼻炎治療剤である。鼻腔内投与時の全身移行性は極めて低く,絶対バイオアベイラビリティーは0.2%未満(推定値)である。
アレルギー性鼻炎の主要症状に対して,第2世代抗ヒスタミン薬より優れた効果を示し,1日1回毎日使用することで,さらなる効果が期待できる(図)

ナゾネックス(R)点鼻液は,2008年4月現在,既に109カ国にて承認を取得している鼻噴霧用ステロイド薬(処方せん医薬品)である。アレルギー性鼻炎診療ガイドラインにおいて,鼻噴霧用ステロイド薬は治療における選択薬あるいは併用薬の一つと記載されている。ナゾネックス(R)点鼻液は,アレルギー性鼻炎治療薬としての鼻噴霧用ステロイド薬の位置づけに影響を与える1剤であることを期待する。


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