K・Kニュース vol.2(2002年6月号)


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第14回 日本アレルギー学会 春季臨床大会

〜平成14年3月21・22・23日、千葉市幕張メッセ、幕張プリンスホテル〜

 平成14年3月21,22,23日、第14回日本アレルギー学会春季臨床大会が千葉大学耳鼻咽喉科学教室今野昭義教授会長のもと、千葉市幕張メッセ、幕張プリンスホテルにおいて開催された。春季臨床大会は年を追う毎に盛会となり、今回は2,800名を越す参加者であった。会長講演は「アレルギー性鼻炎ー病態と対応上の問題点」と題し、今野教授の一貫した研究方針としてよい「気道生理学からアレルギーの病態解明」を基本とした優れた講演であった。

 特別講演2題、教育講演4題、招待講演4題で、アレルギー学会らしく、内科、小児科、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科、基礎の縦割りに拘らない広く免疫学、アレルギー学で横割りにした話題が集められた。プログラム委員会の功績でもある。これと同じことが10のシンポジウム、14の教育セミナー、9つのサテライトシンポジウム、10のポスターワークショップにも徹底し満足のゆく企画であった。一般演題数は334題で、ポスターワークショップを加えると400題に達した。企業展示も充実して中央に設えた談話プラザも利用者が多かった。

 現在のアレルギー学会員は8,000名を越えており、大きな学会に発展してきているが、学会の規模を整理し、卆後教育を目的としたシンポジウムとセミナーを参加者のアンケートによる学会プログラム委員会の企画を意識的にたてる必要がでてきた。又、一般演題こそ新鮮な臨床・研究の芽として、充分な討論の場を準備してゆくようにすべきである。

(石川 哮 記)


 

第8回 アレルギー週間関連行事

 1. 医師向け講習会 (九州7県で開催)

 

福 岡 県:

平成14年2月16日(土) 15:00〜18:30

九州大学医学部同窓会館

内科、小児科、耳鼻咽喉科、皮膚科の先生による講演

参加者39名

佐 賀 県:

平成14年2月8日(金) 18:00〜20:00

マリトピア

特別講演「上気道炎症性疾患の病態と治療」

      島根医科大学耳鼻咽喉科 川内秀之教授

参加者62名

長 崎 県:

平成14年2月27日(水) 18:30〜21:00

長崎プリンスホテル

内科、小児科、耳鼻咽喉科、皮膚科の先生による講演

参加者94名

熊 本 県:

平成13年10月5日(金) 18:30〜20:50

熊本県医師会館2階会議室

内科、小児科、耳鼻咽喉科、皮膚科の先生による講演

参加者79名

 

大 分 県:

平成14年3月2日(土) 17:00〜20:15

大分県労働福祉会館ソレイユ

内科、麻酔科、耳鼻咽喉科の先生による講演

参加者60名

鹿児島県:

平成14年2月14日(木) 18:30〜20:30

城山観光ホテル

内科、耳鼻咽喉科、皮膚科の先生による講演

参加者113名

沖 縄 県:

平成14年2月27日(水) 19:00〜21:00

ラグナガーデンホテル

特別講演「気管支喘息に残された課題」

 福島県立医科大学呼吸器科 棟方 充教授

参加者34名

 2. 一般向け講習会

A.福岡市と北九州市で開催され、
  参加者より活発な質問があり盛会に終了した。

北九州市:

平成14年2月3日(日) 13:00〜16:30

北九州市総合保健福祉センター アシスト21

テーマ「アレルギーマーチをブロックしょう」

  ─アレルギーは子供のうちに治しておこう─

テーマ「今年のスギ・ヒノキ花粉症はどうなるか」

参加者74名

福 岡 市:

平成14年2月17日(日) 13:00〜16:30

福岡市市民福祉プラザ(ふくふくプラザ)

テーマ「大人と子供のアトピー性皮膚炎:どこが違う」

テーマ「今年のスギ・ヒノキ花粉症はどうなるか」

参加者101名

B.市民公開講座(毎日新聞社と共催)

福 岡 市:

平成14年3月17日(日) 13:00〜16:00

エルガーラホール(福岡市中央区天神1-4-2)

テーマ「アレルギーとどうつき合うか?」 

参加者154名

 


The
News!

診断/治療用アレルゲンエキス供給ピンチ
 我国のアレルゲンエキスは鳥居薬品工業株式会社によって製造され、350以上の品目が臨床の場に供給されています。その多くが不採算品目で商売にならないので、多少なりとも薬価は上がったものの生産品目から削除せざるをえない状況です。ところが追い打ちをかけるように動物由来アレルゲンエキスのウイルス不活化/除去が必須となり、4大食物アレルゲンの内、牛乳と鶏卵が、ペットアレルゲンの代表ネコ、イヌが生産中止となり、これは大問題ということで、アレルギー学会からの行政的配慮が要望されています。AIDS、C型肝炎、BSEの騒ぎがこんなところまで波及しています。

アレルギー科とアレルギー専門医
 専門医の広告が緩和されました。科の自由標榜から学会認定医・認定専門医を看板に出せると、より正確な専門医の案内を一般の人達に知ってもらえることになり、歓迎する緩和であると思います。しかし、アレルギー学会は日本医学会に選ばれているし、会員数、機関誌、認定医・認定専門医の試験資格があるのですが、条件の中に「法人格」という項目があります。日本アレルギー学会は法人ではないので、学会に突き付けられた課題となりました。

 

 

九州地区鼻アレルギーQOL調査
 アレルギー疾患の症状で決める重症度のみでなく、生活の支障度全体から患者個々の状態を判断しなければならない時代になりました。喘息QOLはアレルギー学会に特別委員会を設けて検討していますが、鼻アレルギーはアレルギー協会の委員会(奥田稔委員長)で検討が進んでいます。アンケート様式が完成するにはもう少し時間がかかりますが、九州地区では九州支部の企画で、大型のスタディを始めました。この結果は委員会に報告され、日本独特のアンケート様式確立に向かいます。担当の皆様の協力をお願いします。

 

 

 


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